公開日を1ヶ月を過ぎてなおSNSでは絶賛のコメントで溢れかえっているこのゲゲゲの謎ですが、その口コミ効果は絶大で、累計興行収入は10億円を突破しています。
国民的アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ。『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は原作者である水木しげるの生誕100周年記念作品として制作されました。
登場人物
鬼太郎の父(関俊彦)
目玉親父のかつての姿。生き別れとなった妻を探し哭倉村へやってくる。龍賀一族の遺産争い中に起こった殺人事件の犯人と疑われ身柄を拘束され、そこで出会った水木からとともに村の謎を追っていく。
水木(木内秀信)
血液銀行に務めるサラリーマンで、龍賀製薬の担当。龍賀一族の当主である時貞の死後、弔いとして村を訪れる。その真の目的は不死身の製薬「M」の秘密を探ること。次期当主に近いとされる龍賀製薬の社長・克典に取り入って、自身の出世に繋げるためだった。
謎の少年(古川登志夫)
「お馴染みの男」にそっくりな長い髭が生えた少年。
龍賀製薬社長・克典一家
龍賀克典(山路和弘)
龍賀家に婿入りした、乙米の夫。水木の取引先である龍賀製薬の社長。亡くなった龍賀家当主・時貞からの信頼も厚く、跡継ぎの座を狙っている。
龍賀沙代(種﨑敦美)
龍賀乙米と克典の娘。哭倉村から出たことがなく、東京へ憧れている。
龍賀乙米(沢海陽子)
龍賀家の長女で、克典の妻。気が強く、水木の村の訪問を快く思っていない。
長田一家
長田庚子(釘宮理恵)
龍賀家の三女。哭倉村の村長・幻治の妻。
長田幻治(石田彰)
哭倉村の村長。村人からの信頼も厚く、何かあると筋骨隆々な男たちを扇動する。
長田時弥(小林由美子)
龍賀家の三女・庚子の息子。病弱でよく咳き込んでいる。人懐っこい性格で、水木や鬼太郎の父にすぐに懐いた。
その他の龍賀一族
龍賀時貞(白鳥哲)
日本の政財界を牛耳る龍賀家の当主。太平洋戦争で大きく業績を伸ばした龍賀製薬の立役者。彼の死をきっかけに、跡目争いが始まる。
龍賀時麿(飛田展男)
龍賀家の長男。
龍賀丙子(皆口裕子)
龍賀家の次女。奔放な性格で、若い頃に男と駆け落ちしたが、連れ戻されている。
龍賀孝三(中井和哉)
龍賀家の次男。村の禁忌を犯し、心を壊してしまう。ひたすら絵を描いている。
現世組
鬼太郎(沢城みゆき)
人間と妖怪が仲良く暮らす世界を目指し戦う、幽霊族の少年。父・目玉おやじと共に、廃村になった哭倉村を訪れる。
ねこ娘(庄司宇芽香)
鬼太郎の仲間の猫の妖怪。高い戦闘力を持ち、普段は誰に対してもクールに振る舞っている。
目玉おやじ(野沢雅子)
鬼太郎の父親。妖怪の知識が豊富。ある目的のために、鬼太郎と共に哭倉村へ向かう。
山田(松風雅也)
廃刊寸前の雑誌の記者。鬼太郎たちにつきまとう。
まず初めに
そんな私も口コミで劇場に観に行ったひとりなのですが、
そんな「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の魅力は、事件と妖怪など複数の事案が素晴らしく融合していてなおかつ、主要キャラクターである「水木」「ゲゲ郎(鬼太郎の父)」がバディを組む姿に萌えた観客も少なくないと思います。
PG12指定になっていて、ならではのおどろおどろしさや残酷描写を含む大人向けの作風になっています。
昭和31年を舞台にした”戦後”を描いたことで、現代人にもメッセージを伝えていました。
ここからは本編のネタバレあり
あらすじ
昭和31年。日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。それを皮切りに恐ろしい怪奇の連鎖が始まっていく。水木と鬼太郎の父の出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものは……。
権力を求めた水木
戦争から帰ってきた水木は親戚にだまされて財産の全てを失い、もう踏みにじられることがないよう、会社内での地位をできるだけ高めて搾取される側へ行きたいと努力します。
ここで原作者水木しげる氏の強烈な戦争体験も伝わります。
水木しげる氏は戦争に行って左腕を失ってしまいます。
その様な体験も本作に影響を与えてると思いました。
エンディングの謎
ゲゲ郎と別れ、哭倉村から出た水木
記憶を失った彼のその後は、エンドクレジットで語られる。
そこには、お岩さん風の女性や全身が包帯で包まれたミイラ男、水木の逃げ惑う姿……。
これはアニメ『墓場鬼太郎』1話の内容になっています。
この原作は、「ゲゲゲの鬼太郎」より前に描かれており、「ゲゲゲの鬼太郎」の元となった作品。
「ゲゲゲの鬼太郎」に比べて、鬼太郎は人間の味方でもないし、悪事を働いたりもする、全体的に暗い作品で私が子供の頃読んだ時はめちゃくちゃ怖かったのを覚えています。
幽霊族の生き残りの二人は死んでしまい、水木は女の死体を埋めて墓を作ります、そこから鬼太郎が産まれてくるのですが、ミイラ男の目からは目玉おやじが誕生。
つまり、「ゲゲゲの謎」のエンドクレジットで登場した包帯男と顔が腫れた女は、ゲゲ郎とその妻・岩子の姿だったのです。
まぁ、すぐにわかりましたけど・・・
その上で、アニメ『墓場鬼太郎』と「ゲゲゲの謎」を比べてみると、水木と鬼太郎の出会いには大きく異なる場面があります。
『墓場鬼太郎』での水木は、土から這い出してきた鬼太郎を恐れ、突き飛ばして左目を失明させてしまう。
「ゲゲゲの謎」の水木は、鬼太郎を墓石に叩きつけようとするものの、思いとどまり鬼太郎を抱きしめるんですが、ここが胸キュンポイントでした。
アニメ『墓場鬼太郎』でも水木は鬼太郎と暮らし始めるが、鬼太郎は水木のことを「金づる」と言ったりする鬼畜っぷりをみせます。
家族の愛もテーマにありますので、是非とも鑑賞して欲しい作品です。
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